【薔薇色♂の】入学式【高校生活】

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風に吹かれ薄紅色の花びらを散らす桜並木。真新しい制服に身を包み、新たな生活に夢を見、胸を躍らせる新入生。 そんな春の景色を見てげんなりする俺、水瀬静樹はオタクである。ネラーである。笑顔厨である。しかし腐男子ではない。 何故腐男子でもないのにこんなザ・王道BL学園な私立皇(すめらぎ)学園に入学したのか…知りたいだろう? 元凶は貴腐人な母と腐女子な姉だ。二人は無駄に可愛い。腐っているのが勿体ないくらいに。何故母さんは平凡な父と結婚したのだろうか。どうせ当時平凡受けにハマっていたからとかそんな理由だろう。…マジでそんな気がしてきた。ドンマイ、父さん。父さんのDNAをばっちり受け継いだ俺は完全な平凡、平凡の中の平凡、キングオブ平凡だ。まあ俺の顔は今はどうでもいい。経緯だ経緯。 びっくりするくらい美女な二人に可愛くおねだりされてみろ。ぜってー断れないんだからな。断れたらお前ホモだろってなるわ。そういうわけで俺はこのセレブ校に通うはめになった。俺の学力にぴったりだったからよかったものの、俺が馬鹿だったら死にもの狂いで勉強することになっていた。危なかった。 そんなことを考えながら校舎を見上げる。校舎自体はコの字型で、真ん中の一階に正面玄関、下駄箱、職員室、保健室があり、二階から上は普通教室になっている。二階は三年生、三階は二年生、四階は一年生の教室だ。向かって右側の校舎は主に特別教室の棟で文化部部室も含まれている。左側の校舎は一、二階は講堂、三階は風紀委員室、四階は生徒会室になっており、一階と三階に渡り廊下があるとパンフレットに書いてあった。また、別の場所に寮があるそうだ。寮もめちゃんこでかそう。門も俺の身長の二倍はあったしな。 コの字の空いてる部分を塞ぐように体育館と運動部の部室棟があり、一階の渡り廊下で全て繋がっている。つまり上から見ると四角形になってるってことだ。ちなみに中央は中庭になっている。
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