【薔薇色♂の】入学式【高校生活】

5/8
前へ
/17ページ
次へ
今日は高等部の入学式。とはいえほとんどが内部生だからあまり変わり映えしない。 新入生の花を左胸につけやってきたのは講堂。奥のステージに近い側の席が新入生の席だそうだ。生徒のほぼ全員が前の席に詰める中、ぽつんと一番後ろの右端の席に一人、黒髪の男子が座っていた。生徒会に興味ない(腐的な意味ではあるけど)から彼の隣に座ることにした。 携帯をいじる彼の顔を観察する。 さらっとした髪はかなり髪質が良い。黒縁の眼鏡をかけ、黒い目は真っ直ぐ携帯に向いている。日焼けしていないところを見るにあまり外に出ないタイプなのだろうなと推測する。パーツだけで見れば歪んだところはなく整っているが全体で見れば良くも悪くも突出したところのないさっぱりした平々凡々な顔立ちだ。 あまりじろじろ見ているとばれるかもしれないからと視線を前方にいるチワワ達に向けた。いやー良い平凡くんだ。そうだ今度平凡受けの小説でも書こうか。ふふふ楽しみ楽しみ。 妄想していると右隣から視線を感じ目を向ける。するとずっと携帯に向いていた夜色の瞳が俺をじっと見ていた。ばっちり合ってしまった視線を逸らすわけにもいかず暫く見つめ合う。微動だにしない平凡くんにこちらが根負けした。 話してみて分かったことと言えば、彼、水瀬静樹もノンケだということ、それからSだということ。なんか…新しい扉を開きそうになった気がする。 にしても本当に美味しいな、水瀬は。鬼畜平凡か。攻め…いや受けでもいいかもしれない。へたれ攻め×鬼畜もしくは女王受け。お、美味しい…! そういえば中学の頃水瀬見なかったな。ノンケも珍しいし…あ、もしかして。 「水瀬、お前ってもしかして外部生?」 「あ?ああ、今年からのな。村崎は?内部?」 「俺は中学ん時に転校してきたんだよ。一緒一緒。」 やっぱりか。なんでこの学園に入学しようと思ったんだろ。都内だけど田舎の方に建てられていて交通の便も悪いし、セレブ校っていうのが格式高そうで敬遠されがちなのに。 …はっ、身内に腐った方がいて萌え提供に協力させられているとか…! …まさかね。そんな漫画みたいなことあるわけないか。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

40人が本棚に入れています
本棚に追加