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Side水瀬静樹
開式の言葉で入学式が始まる。さっきまでざわついていたのがシーンと静まった。こういうところはセレブらしくきちんとマナーがなっているんだな。
「あ、水瀬、生徒会長の挨拶ってなったら耳塞いどけよ。」
「は?なんで?」
「見りゃわかるさ。」
その会話をしてそんな経たずにに生徒会長の挨拶、と教師が言ったから言われた通り耳を塞ぐ。
ステージに黒髪の男が現れた瞬間。割れんばかりの悲鳴染みた叫びが。
ちょっ、なんだこれw
耳を塞いでいるというのにびりびりする。本当に男か?ってくらい甲高い声もあれば男らしい野太い声もある。黄土色の悲鳴、ってのがぴったりかな。
「うるせえ、黙れ。」
男…生徒会長が低く言えば水を打ったように静まりかえる。なんだったんだ、今のは。
生徒会長はウルフカットにした黒髪に…遠目だから分からないが青っぽい瞳の精悍な顔立ちの…イケメン…。くそ、イケメン爆発しろ。どうせホモなんだろ。イケホモってか、やかましい。
「新入生共、入学おめでとう。俺様からの祝いの言葉だ、ありがたく受け取れ。」
(´゚3゚):;*.':;ブッ
ぶはwww俺w様wwwリアルで俺様って一人称のやつ初めて見たわwww頭大丈夫ですかwwwとぅっとぅるwなんですかwwwww痛い痛い痛いよおおおwww絆創膏持ってきてwww出来るだけ大きな人一人包み込めるくらいのおおおwwwwwwwww
ふう、笑った笑った。いや、顔には出してないぞ?こんなシーンってなった場面で噴き出せるかっての。ポーカーフェイスだったさ。ほら、皆だってなんか面白いの読んでいても顔には出さず内心大爆笑するだろ。頬筋引き攣りかけるけど。
ポーカーフェイスのまま入学式を受け続け閉式の言葉で終える。教師に誘導されて正面玄関に戻る。いつの間にかクラス割が貼りだされていた。人がいなくなってから見ようかな、と思っていたら村崎が人ごみを掻き分けクラス割を見に行った。暫く待っていると村崎が戻ってくる。
「俺達同じA組だった。一緒に行こうぜ。」
「おー、マジか。」
じゃあ行くか、と村崎と移動する。教室に入ると何人かがグループを作り雑談していた。でも俺達が入ったと気付くとこっちを見てひそひそしだす。女子か。
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