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秋の抽象画
感傷的な煙を
立ちのぼらせ
つぶやきは膨らむ
果実に立てこもる
腐敗な気分を
唾液で溶かす
寝不足気味な
僕の肩を叩いても
朦朧と墜ちる
束ねた筆の躍動を
奮い起こして
キャンパスには
描ききれない
秋の抽象画
窓辺から覗き込む
紅葉の色彩
溶けてゆきたい
抜け殻ばかりの
自分を見下ろす
狭いキャンパスの
中から
塗り重ねられて来た息苦しい捕らわれの思いから
抜け出したい
色を探して
秋にたどり着いた
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