第二十四章 異様

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「ねぇ、何とか言いなさいよ。それに、言い訳ならまだ出来るんじゃないの? ……そうね、ほら。1号館に向かう途中であの化け物に襲われた、とかは? 今一人な所を見ると、もう二人とも殺してしまったんでしょ? だったらそれがちょうどいいと思うわ。『1号館に向かっていた所をあの化け物に襲われて、二人は殺されてしまった。自分はそこから何とか命からがら逃げだしてきた』。ほら、これなら辻褄が合うじゃない」 そう言って奈々が笑った瞬間、 「!?」 バサッ、と目の前の視界を覆う布。 亜矢が羽織っていた上着を投げたのだと気付いた瞬間、 「っ!?」 奈々の視界が横にスクロールしていき、いつの間にか顔が地面に押し付けられている。 動こうとすると、右腕が背中側に捻り上げられており、一切抵抗が出来ない。
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