第二十四章 異様

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「……もう、ちゃんと自分の身体能力ってものを把握しておかないと駄目でしょ? 運動音痴の安倍さんが、そんなドラマの主人公みたいに咄嗟に動けるわけないじゃない」 「くっ、やっぱり杉並……あぁ!」 「相手をやり込めてやった、って思い込んだり、上から目線になった時こそ人間て一番気が緩むのよね。駄目よ? 安倍さん。あっさり騙されちゃ。今どき、知らない筈の情報を口を滑らせて言ってしまった、なんて。三流小説でもやらないわ」 「じゃ、じゃあ今のはわざ、と……!」 「ふふ」 ギギッ、と奈々の腕の関節が軋む。
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