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拓海は高校受験をして入学しているので同じクラスになるのは翔央も麻衣も初めてだった。翔央と拓海は男同士で最初から気が合い仲良くなったが女子の麻衣はそうはいかない。
「拓海だって受験して高校からここに来てるんだからおれなんかよりずっと頭いいだろ?」
「あ、それは違うと思うな」
麻衣が口を挟む。拓海はそんな麻衣を見つめる。
「翔央はねぇ・・・学校前の幼稚園の時から知ってるけど・・・天才なんだよ。もう、なんだって子供の頃から一番だった。できないことなかったもん。誰も翔央にはかなわないよ」
と、なぜか得意げに麻衣が言った。ちょっと間をおいて拓海が呆れたようにわらう。
「なんだよ、なんだよ、嫁が旦那の自慢か?あ~、ごちそうさま!なんか、おいら腹一杯になっちゃったぜ!じゃな!」
ディバックを背中にかけて拓海は二人に手を振った。
「拓海!」
「翔央!一緒に帰らないの?!」
麻衣が後ろで叫んでいたが翔央はそれを無視した。
「もうっ!翔央のバカ!」
後ろ姿に麻衣が叫んだ。
「拓海!」
ほんの数分で翔央は拓海に追いついた。
「嫁さん、ほったらかしていいんかい?」
おどけたように拓海振り返った。
「お前さぁ・・・もっと自分に素直になれよ・・・」
「はぁ?」
「俺がさぁ、お前が麻衣のこと好きなの気づいてないと思ってる?」
拓海は見る見る間に耳まで真っ赤になる。
「知ってたのか・・・」
「おれたち、親友だろ?」
翔央は拓海の口真似をして笑った。
「いいんだよ、おいらは・・・」
投げやりではなく明るく拓海は翔央にわらいかけた。
「おいらはさ・・・お前と麻衣の掛け合い見てればそれでいいんだ。麻衣と付き合いたくないのか、って言われたらそりゃ付き合いたいさ。でもな・・・」
「でも?」
「もしかしたらいつか麻衣がおいらの気持ちに気づいてくれたら・・・その時はきっと
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