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───その日ついに事件は起こった───
感覚が戻り始めてからは、
できるだけ滞っていた鬼の退治に努めた。
鈍っていた身体を動かし、右手の回復を確認する。
今ではほとんど違和感なく右手を使えていた。
不思議なことだ。
その日沙樹は校門にさしかかり、
動物のものらしき新しい血臭に気づいた。
途端、体育館付近から女子生徒の悲鳴が上がる。
近くにいた数人の生徒と共にかけつけると、
入口近くで震えながらうずくまる少女を発見する。
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