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「──新種かもな」
廊下の血痕を見つめながら、
桜城かなではつぶやく。
とりあえず沙樹は今の状況を正確に伝えた。
鬼に囲まれていること、
おそらくそれとは別の鬼が校舎に潜んでいる可能性が高いこと、
そして沙樹の能力(ちから)が回復しつつあること───・・。
それなのに依然その『新種』とやらの気配は、
感じられなかった。
「───まずいな」
桜城かなでが続ける。
「生家で恐ろしいことを聞いた」
彼女はいつになく動揺したようすで、
自分の爪をカリッと噛む。
「あいつら禁忌を犯しやがった・・!」
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