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最初は殺人なんて駄目だって、反対してたけど……それでも、僕のことを信じてくれて。海斗は何も悪くないんです。全部、僕がやったことですから。どうか、海斗だけは、許してあげてください! …………お願い、します」
事故に遭った恋人を助けてくれと必死に懇願するパートナーのように、冬美はわたしの膝へボロボロと涙を落としながら訴えてくる。
そんな情けなく歪んだ顔を見つめながら、わたしは掴まれた腕を振り払い、そのまま冬美の胸ぐらを握り引き寄せた。
「そんな風に思うんだったら、始めからこんな馬鹿なことしなきゃ良かったんだよ。自分でやり方間違えたんでしょ? 自分で大切な人を取り返しつかない不幸に突き落としたんでしょ? これだけ最低なことしておいて、よく言えるねそういうこと。虫がよすぎるってわからない? 何度も同じことを言いたくないけど、もう一回だけよく聞いて。ちゃんと、罪を償いな。潔く、全て認めて受け入れな。それが今あなたがしなくちゃいけないことなんだから」
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