†エピローグ†

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何て言うか、本当にタイミングや環境色んな要素が悪い方向に向いてしまっていたが故に回避できなかった。そういうやりきれない殺人だったのかなってイメージが俺の中にはあるんだよな」 うまく表現できずにもどかしがるような、どこか困った表情を見せながらそう言うと明子は 「……あー、何となくわかる気はします」 と言ってコクコクと首を縦に揺らした。 「でも、これって世間も悪いのかもしれないですよね。今回の性同一性障害もそうですけど、他の同性愛とかアセクシャル、あと、鬱病とかもかな? そういったものを抱えてる少数の人たちへの理解がまだまだなさ過ぎるイメージが強いし。中には理解しようとしてあげるどころか単に異常者を見るような目で接する人だって少なくないじゃないですか? 鬱病の人に対して、それは単なる甘えだみたいに言ったり。こういう風潮を消していかないと、今回捕まった子と同じ立場にいる人たちは一生普通に生きることができないのかも」
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