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-Prologue-
「かなこっ!!!!!!!」
その叫び声に一瞬振り返って後ろを確認しようとした。
バランスを崩して、転んだ膝に石ころが食い込んで痛い。
でも今、この世界では、一瞬の躊躇いが私の命を奪う。
だから、とっさに立ち上がり、
ソレから逃げるため、ソレの居場所を確認しようと視線を彷徨わせた。
・・・その瞬間、
アツイ・・・熱が私を貫いていた。
「かなこぉぉぉおぉぉおおおおおおおおおおおっ」
絶叫が、辺りをこだまする。
私はその大事な人の声を、紅く染まる視界の中で探した。
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