第18章

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三月最後の金曜日。 今日は職場のお花見。 定時で仕事を切り上げ、みんなで公園へ移動する。 もうすでに場所取りはしてある。亮平に文句は言わせない自信がある“絶好の場所”を確保した。 桜はまだ七分咲き程度だけど、桜の木の本数が多いこともあり充分きれいだ。加えて夜はライトアップもされている。 食べ物と飲み物はケータリングにした。 公園の入り口まで持って来てもらえるから便利だし、種類が豊富で美味しい。 花より団子ってわけではないけど、女子的にはやっぱりそこは大事なとこでしょうってことで、おばちゃん三人衆と私で評判の良い店をリサーチしまくった。 ほら、団子が美味しいから花が余計に綺麗に見えるってこともあると思うし。 ・・・・・・そう、食い意地が張ってるからってわけではない。断じて。 「見て! この手まり寿司、すっごいキレイ!!」 「ん~、おいしい。やっぱりここの料理は味も絶品ね。選んで正解だったわ」 予想以上の豪華な料理を前に、女性陣から歓声が上がる。 私もワクワクしながら、どれを食べようか迷いつつも、ついつい一番の好物のお寿司ばかり取ってしまう。 「ブッ。お前、寿司ばっかりだな」 隣から聞こえた笑い声の主は、すでにちょっぴり酔っぱらった先輩社員に絡まれてたはずの亮平。 いつの間に。
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