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お寿司を次から次へと頬張り、満悦至極に浸ってたのに、そこはかとなく嫌な予感がするのは気のせいだろうか。
「だって、好きなんだもん」
「知ってる。目がランランしてた」
「ちょっと。何その可愛げのない言い方。キラキラと言ってよ」
「いや、あれは間違いなく獲物を狙う肉食動物の目だった」
真剣な顔をしてキッパリと言い切った亮平。
んーと、殴ってもいいかな?
「失礼な!」
バシッと肩を叩くと、亮平は「いてっ」と言いながら、悪戯が成功した子供のような顔で笑った。
「で、どれが一番美味かった?」
「えっ? えっとねー、サーモンかな? うーん、海老も捨てがたい。いやいや、この散らし寿司も・・・・・・」
「クククク。んじゃ、オレはコレにするわ」
「ねぇ、ちょっと。それ、私が勧めたやつじゃないんだけど」
私に意見きいた意味ないよね?
ムッとしながらも、よくよく見ると。
「・・・・・・あ、でも、それも美味しそう」
「アハハハハハハ!! お前、サッイコー」
軽口を叩き合いながら、亮平はビール、私はチューハイ片手に、美味しい料理に舌鼓を打つ。
うちの職場はそれほど飲み会があるわけではなく、退職者がいれば三月に送別会を開催するけど、今年は該当者がいなかったので、新年会以来の久しぶりの飲み会になる。
そのせいか、割とみんな飲むピッチが速く、どんどんテンションが上がっていく。
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