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次の週末。
いつものメンバーでお花見。
食べ物は女子が、飲み物は男子が準備した。
場所は、一週間前と同じ、あの公園。
「おーっ、オレの好物じゃん。誰よ、これ持ってきたの」
「ふふん。あ・た・し」
「未来ねえさん、さっすが。オレの好みを熟知してますなー」
「別に、ミッチーのために作ってきたワケじゃないし」
「未来って、意外と料理上手だよね~」
「……咲ちゃん、毒舌」
いつも通りの空気。落ち着く。
目いっぱい笑って、飲んで。
「あっ。プロジェクションマッピング、もうすぐ始まるって!」
「亮平と理央、先週みたんでしょ? どうだった?」
「おー。結構迫力あって、なかなか良かった。よな?」
突然、亮平に同意を求められ、内心焦りながらもニコリと笑って答えた。
「…うん。キレイだったよ。すっごく」
目の前に映し出されるプロジェクションマッピング。
一週間前と同じ映像をぼんやりと眺めながら、私は全く別のことを考えていた。
あの日、これを観てる時に――――
あの時の光景が、頭に焼き付いて離れない。
あれから何度、繰り返し思い出しただろう。
―――あっちゃん。
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