女郎瀧

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 2時間以上走ったでしょうか。私達はなんとか地元まで戻ってくることができました。時刻は午前5時になろうとしていました。8月の日の出は早く、あんなに恐ろしかった山々が昇り始めた朝日に照らされ、皮肉にも綺麗に輝いていました。  私達は地元のコンビニに車を止めました。みんなどっと疲れが出たようで誰もすぐには降りようとしませんでした。 「はぁ…疲れた……」  竜也君が呟きました。 「ありがとうたっちゃん」  浩志君が言いました。 「サンキュー」  敦也もそう言って竜也君の肩をポンッと叩きました。 「ありがとうみんな……」  私はみんなにそう言いました。するとなぜだか急に涙が溢れ出てきました。 「何だったんだよあれ……?」  竜也君は思い出すようにそう言うと、詳しいことを聞こうと私に視線を移しました。 「まぁ、それは後にしようぜ」  泣いている私を見て敦也がそう言いました。 「そうだな……」  私達は車を降りました。 「なんだよこれっ!?」  最初に異常に気付いたのは竜也君でした。車を見ながら顔を強張らせています。私達もすぐに車に視線を移すと、驚きから声を失いました。  車には無数の手形が付いていたのです。泥や手垢で付けられたようなものから薄っすら血のように見えるものまで、とにかくたくさん付いていました。明らかにあの女郎達が付けたものだったのだと思います。私はあそこで起きた全てをみんなに話しました。
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