Moon Rising

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森林部奥地へと向かうにつれ、 武獣が襲いかかってくる頻度が高くなる。 「んー、どうなってんだ? 群での大移住でもしやがったのか……? それによるメリットは特に思い当たらないがなぁ…」 推察しながらも、襲いかかってくる武獣を 右手の脇差で斬り伏せ、左手の拳銃で撃ち抜き、 そのまま歩を緩めることなく進む。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 三刻ほど経ち、群を見つけ殲滅した 黒兎は武器化を解いていた。 武器化を解いた猫と兎はじゃれあっている。 「さてと、さっさっと出てこいよ。 殺気、だだ漏れてんぞ。 さっきから雑魚の相手ばっかでつまんねぇんだ」 背の方に目を見遣りそう言う。 「来ねぇなら、こっちから行くぜ?」 振り向き様に跳躍し、武器化の解言を叫ぶ。 「"Cut of Cat"!"Bullet of Rabbit"!」 猫と兎が光に包まれ、黒兎の手元へ飛ぶ。 と、その瞬間、殺気を放つ者は消え去り その場には西洋竜型武獣が姿を現していた。 「はっ!西洋竜型とはご無沙汰だぜ! 行くぜ、クロ……」 風が起こる。 黒兎を、否、クロと呼ばれたその脇差を中心にして 全方位から風が集まっている。 「……さぁて、腕は鈍ってねぇかな?」 風が止んだ。 そして、黒兎が腕を振るったその瞬間、 高密度の風の刃が空に吸い込まれ、 西洋竜型武獣は2つになって、地に落ちた。
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