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「聖月君…」「聖月君…」
二人もつられて笑顔になる。
しばらくそうしてから、
聖月はキョドりながら立ち上がった。
二人に優しく見つめられ、
少し恥ずかしくなったのだ。
「さ、さて、俺は洗い物しますね。
お二人はゆっくり食べてくださいね」
いそいそと立ち上がる聖月を尻目に
怜が口を開いた。
「ね~聖月君。
今日は類とデートしたんでしょ?
今度は僕とでかけようよ?」
「デート、じゃありませんよ」
いや、スーパーに行っただけなんだが。
でも。提案自体は賛成である。
「そうだね~。
でも聖月君は俺のだからね?」
「残念だね。
聖月君はまだここに住み始めて
1日しかたってないのに
なんで、聖月君が俺のもの宣言
してるの。バカじゃない?
ね? 聖月君?」
カチャカチャ。皿と皿がぶつかって軽やかな音が鳴る。
「そ、そうですね。
また怜さんともお出かけしましょうね」
苦し紛れに頷くと、怜さんが
小さくガッツポーズをとった。
「チェ」
類が小さく口を尖らせた。
聖月はそれらをほのぼのしながら見つめていた。
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