第1章

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ーー繁side 「…ええ!? 住むことになったんですか?」 涼介は心底驚いた顔をした。 「ちょっと待ってください。 そんな話聞いてませんよ!!」 「だって今初めて言ったんだもん」 「『もん』じゃないわ、このボケナス! そんな急展開本人が無理するでしょ!? 特にあの人は人がいいんだから ダメでしょ!」 「ボケナスじゃないし… タメになってるし…」 「黙れ! 今それどころじゃないでしょうが!!」 涼介は顔を真っ赤にして言った。 俺はワザと拗ねるような口調で言い返した。 「なんでだよ。 本人の同意もあるし、類だってOKしたし…」 自分で言いながら語尾が尻すぼみになっていく。 こんなに怒ると思わなかった。 なぜそんなに怒るのか分からなくて、首を傾げていると、 観念したように涼介がはあ、と溜め息をついた。 「あのな、確かに俺らは もうすぐあそこの家には帰ってこれなくなるかもしれない。 そして、聖月だけがここに残り、 一見聖月があの家にいるのが最適に思えるかもしれない。 でも、でもな。繁」 そこで涼介は一旦言葉を切ってから 言い聞かせるように続けた。 「アイツだって生活があるんだよ」
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