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そんな私の気持ちを知らない母は、
また大下家が抱えている次の難問を提示してきた。
もしかしたら、母や父や弟にとっては
こっちの方が重要だったのかもしれない。
妹のそれも大変な問題であったことは間違いないのだが、
それはほんの数日前に突然降ってわいてきた話である。
それまでは直也さんとそのご両親だけが知っていて、
その三人だけが悩まないことはない日々を送っていただけであり、
妹は全く持って知らなかったのである。
ということは、大下家の人間も知るはずはない。
つけ加えておけば、あちらのお兄さんも
全く知らなかったのだそうである。
お兄さんが知ったのは妹が知ったのと同じ日なのであった。
実はその日、つまり1月24日も
直也さんは実家へお金の無心をしに行っていたのである。
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