1人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
駿君の声が少し遠ざかった時を見計らって、
私は私たちがお金を工面する気持ちでいることを
妹に伝えた。
「姉ちゃん、ありがとう。
本当にありがとう。
じゃあ、このことを直也に伝えるね」
妹は念を押すように言ってきた。
その言い回しから、直也さんにもそう言ってもいいよね、
そういうことだと推し量られた。
「うん、いいよ。
具体的にいつ用意すればいいか教えて」
つまり、直也さんの会社にいつお金を届ければいいか
ということである。
もうこの次に待っているのは、具体的な段取りなのである。
私たちの気持ちが決まった以上、事を進めていかなければならない。
ここからは時間の勝負だ。
もちろん、誠意・誠実さが前提であることは言うまでもない。
会社の方へはお詫びの言葉もない・・・
最初のコメントを投稿しよう!