第1章   妹への朗報

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駿君の声が少し遠ざかった時を見計らって、 私は私たちがお金を工面する気持ちでいることを 妹に伝えた。 「姉ちゃん、ありがとう。 本当にありがとう。 じゃあ、このことを直也に伝えるね」 妹は念を押すように言ってきた。 その言い回しから、直也さんにもそう言ってもいいよね、 そういうことだと推し量られた。 「うん、いいよ。 具体的にいつ用意すればいいか教えて」 つまり、直也さんの会社にいつお金を届ければいいか ということである。 もうこの次に待っているのは、具体的な段取りなのである。 私たちの気持ちが決まった以上、事を進めていかなければならない。 ここからは時間の勝負だ。 もちろん、誠意・誠実さが前提であることは言うまでもない。 会社の方へはお詫びの言葉もない・・・
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