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実家の電話番号。
それを久しぶりに思い出す。
もう何年も思い出すこともなかった数字なのだけど、
覚えているものなんだな、
ふとそんなことを思ったりした。
プップップッ、
プルルルルゥ~
この間、まだ妙に緊張していた。
何故だか私にもわからない。
「もしもしぃ~っ」
母のいつもの声だ。
「あっ、お母さん?」
なんだか気恥ずかしい、
そんなことを感じた。
たった1秒かの間に
私は5年という月日を感じ取っていたのだった。
久しぶりに聞く
電話越しの母の声。
妙に懐かしく
妙に安心してしまう
そんな母の声なのであった。
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