1人が本棚に入れています
本棚に追加
啓介さんと話し合った結果、
お金を用意することにしたことを
聞いた母は手放しで喜んだ。
それは無邪気な喜びにさえ感じられた。
母はときにそんな人でもある。
母が真っ先に口にした言葉は
「よかったぁ、これで今日子たちは大丈夫だね」
というものであった。
そして、その次には
「これで隼人も安心するわ」
というものだったのである。
私も母が喜んでいること、
安堵していることには
嬉しかった。
「やっぱりこれでよかったんだ」とも思った。
だけど、そこにはやはり後ろ髪をひかれるものが残ったのであった。
最初のコメントを投稿しよう!