三話

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 回答に少し時間がかかって、なんとか全て答えきった頃、部長の藤枝ミズキさんに無言で葛湯(私の好物です)を差し出されました。 「お疲れ様」  最初は怖い人かと思ったものの、意外と気が利く人でした。 「ありがとうございます」 「こちらこそ」  葛湯を飲みはじめると、ミズキさんとマワタさんはアンケートへの解答のチェックをはじめたようです。 「名字が藤枝って、もしかしてミズキくんの……」 「調べてみる価値はありそうだ」  名乗ったときには気にした様子はなかったけれど、意外な繋がりが?  ちなみに、私の名前は藤枝美江と申します。紹介が遅れて申し訳ない……。 「おばあちゃんが持っていた端末だったから、実はそうかもしれない」 「えっ?」 「それなら、未来の自分に会いにいってみない?」  マワタさんの提案に、首を縦に振るべきか迷うところですが……町がどうなっているのかも気になるし、 「行きます」  そう言えば、今日は一番背の低い安芸ユウジくんを見ていませんね。まぁ、それは置いといて。 「行くか」
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