旅立ち

33/37
前へ
/594ページ
次へ
火照った顔と赤く染まる唇 潤んだ瞳 熱い視線が絡みあう 突然彼は ザバッと私を抱え上げると湯船を出た 「座って」 私を椅子に座らせた春美は手のひらに 石鹸を泡立て身体の隅々まですべらせていく なめらかな泡と香り そして温かな手のひらの感触に身体がピクッとなる 身体を洗い終えた彼は次に シャンプーを取り髪を丁寧に洗い出す あまりの気持ちよさにウトウトしそう その後私も同じように 春美の身体と髪を洗い再び湯船に浸かった 身体と心がポカポカ温まり その心地良さに彼の胸に背中を預けて もたれかかった
/594ページ

最初のコメントを投稿しよう!

944人が本棚に入れています
本棚に追加