旅立ち

36/37
前へ
/594ページ
次へ
それから春美が私を開放したのは 日付が変わってかなりたった頃 「………身体……大……丈夫?」 ハアハアと荒い息を吐き私の胸に頭をつける 「……う…ん」 春美の額の汗に濡れた髪をそっと撫で その頭を抱きしめ私も息を整える 2人じっと抱きあっていると 荒い息づかいがだんだんと落ち着き それは優しい吐息に変わっていく 私の胸の上で目を閉じる春美の身体に 布団をそっとかけなおした まもなく訪れた規則正しい寝息に 私もいつしか深い眠りに落ちていた
/594ページ

最初のコメントを投稿しよう!

944人が本棚に入れています
本棚に追加