プロローグ

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一瞬だけ時が止まったような気がした。 二十四時間三百六十五日止まることなく動き続けているあの渋谷のスクランブル交差点が、止まった気がした。 皆一瞬だけ動かし続けていた足を止め、どこからこの音声が流れてきたのかに気付くと 『なんだ、ただのCMじゃないか』 『だよな、この平和な日本でそんなこと言うのってドラマくらいだよなぁ』 そんな軽口を聞きながら何事もなかったかのように一瞬だけ止まった時間はまた動き出した。 まだ、始まってすらいなかったその惨劇の序曲が流れたことに気づきもしないままに。
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