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”赤い実 はじけた”
長い間、教科書に掲載され親しまれてきた作品の
このフレーズが、29歳になっても、忘れられないでいるのは…
あの時の初々しい感情が鮮明に記憶に根付いてしまっているからなのだろうか。
今年の誕生日で、30歳を迎える葉山志帆は
世間の荒波に似呑みこまれないよう、代わり映えしない日常に藻掻いていた。
そんな中、実家の母親から小学校の時の同窓会の案内はがきを渡される。
同窓会の幹事は、
6年生の春に突然転校してきた志帆が当時好きだった、牧田 肇。
あの頃の淡い想いが甦り、熱いため息を吐いて参加を意気込んだものの、
返信はがきの締切期限が過ぎていたことに気付く。
やはり運命の神様なんて自分には無縁だと諦めかけた矢先、
大人になった牧田肇に再会する。
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