ミライ

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宅配便かな?たまにお爺さん宛てに荷物が届く時があるし。僕は立ち上がり、曇った窓を着ていたパーカーの袖で拭く。 あれ?窓の外から覗きこむ視線と目が合った。そして、あぁ、君も思い出したみたいだね。僕らはお互いににっこりと笑う。 そこにはミライちゃんがいた。 「いい天気だったから、ちょっと遠くまで探検してみよう思って。すごい偶然。ねぇ、私のこと、覚えてる?」 玄関の扉を開け、彼女を暖かい部屋に招き入れると、息を弾ませながら話始めた。僕は大きく頷く。 ミルクパンの中に残ったココアを温め直して、彼女に渡すとありがとうを言って受け取った。 外を歩いて来て、すっかり冷えてしまった鼻先をココアから立ち上がる湯気で温める。お爺さんの手製の食卓に案内すると、彼女は重みのある椅子を引いて座った。 ウサギをかたどった耳当てに赤いマフラー、キャメル色のコート、コートのポケットに突っ込んだ赤いミトンの手袋。彼女の風貌は、去年に見かけた時と同じだった。 けれども、少し伸びた身長に、更に長くなった髪。 時折見せる表情が大人っぽく見える。一年しか経ってないというのに。女の子の成長は早いんだって誰かが言ってた。そういえば、もうあの時から一年も経ったのか。 でも、笑顔は変わらないんだな。それがホッとする。
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