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少しだけ、この引越の惨状に納得した。
母さんは物に愛着を持つ人だし
どうせ「家財道具は一緒に持って行きたい」
なんてワガママを言って親父を困らせたんだろう。
「そりゃいいけど、俺家事できねぇよ?
毎日毎食逢花の家に行けなんて言わないよな」
そう言われても、そうしたくは無い。
その理由というのも逢花の親に原因があるのだ。
「いや、さすがにそれは無いよ、だって……」
「与島さーん、どうだい引っ越しは順調か~い?」
今挨拶もなしに上がり込んできたこの人が逢花の父親だ。
豪気な人で、角刈りに百八十センチはある身長
ムキムキの体はどこかのダイエットDVDのインストラクターのようだ。
だがそんな事は苦手な理由にはならない。
付き合ってみれば本当にいい人なのだ。
問題は、そう逢花との関係のことだ。
「夜人君、おはよう!いやーどうだい最近は。」
「元気にはやっていますよ。逢花のお父さん」
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