Ⅱ,夏休みから始まる家庭の事情

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少しだけ、この引越の惨状に納得した。 母さんは物に愛着を持つ人だし どうせ「家財道具は一緒に持って行きたい」 なんてワガママを言って親父を困らせたんだろう。 「そりゃいいけど、俺家事できねぇよ?  毎日毎食逢花の家に行けなんて言わないよな」 そう言われても、そうしたくは無い。 その理由というのも逢花の親に原因があるのだ。 「いや、さすがにそれは無いよ、だって……」 「与島さーん、どうだい引っ越しは順調か~い?」 今挨拶もなしに上がり込んできたこの人が逢花の父親だ。 豪気な人で、角刈りに百八十センチはある身長 ムキムキの体はどこかのダイエットDVDのインストラクターのようだ。 だがそんな事は苦手な理由にはならない。 付き合ってみれば本当にいい人なのだ。 問題は、そう逢花との関係のことだ。 「夜人君、おはよう!いやーどうだい最近は。」 「元気にはやっていますよ。逢花のお父さん」
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