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香里奈が、抱き付いたまま離れない。
クールダウンしてから、かなり時間が経っているとはいえ、炎天下で、何時間もトレーニングしてたんだから、体がべたついているし、汗臭いだろうと思うんだが…。
なのに、香里奈は、『お日様の匂いがしてるから、気にならないよ。』なんて言って、ベタベタくっついてくる。
はぁ…そういうことね。結局、いつもの流れになっちゃうんだな…。
「…香里奈…もう、許してよ…限界…。」
ベッドの上で、うつ伏せになって、ぐったりしていると、香里奈が、背中を、つんつんと、指で突いてくる。
「ねぇ、透…もっと、しようよ~ぉ。」
「…あのなぁ…俺は、トレーニングしてきてるんだぞ…暑い中で、走り込んで、クタクタなの…。」
「わかってるよ。…でもぅ、もっと、したいんだもん…。」
「俺も、出来ればさ、してやりたいけど…これ以上は、無理だからな。
疲れた体に、鞭打って、してあげただろ…。
このまま続けたら、俺の寿命が縮まります…。
希望は、却下です。」
ちょっと、頬を膨らましてから、香里奈は、
「じゃあ、一緒に、お風呂入ろう♪」
などと言い出した。
なんなんだよ、今日の香里奈は…。
いつにもまして、積極的だよな。
はぁ…。溜め息をついた後、俺は、体の向きをかえ、彼女に、答えた。
「はいはい、お好きにどうぞ。」
「いいの?やったぁ♪」
まあ、いいか…ご褒美ってことで。今日は、香里奈のおかげで、気持ちも固まったしな。
やっと、シャワー浴びれるな…。
長くて暑い夏の夜は、まだ、これからだ…。
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