実りの秋…

5/13
121人が本棚に入れています
本棚に追加
/430ページ
「例えね、他人に、言われてやっていることであっても、やると決めたことは、自分の責任で、キチンと、やらなきゃダメなの。 やる気がないなら、頭を下げて、キッパリやめろって、彼に教えられた。 私は、今、何のために、ここにいるのかってことを、考えさせられたの。 それをきっかけにね、私、変われたの。 同時にね、彼をもっと知りたいって思った。だから、頑張ったんだよ、私。 1年経った頃ね、彼が、私には、必要な人なんだって、再確認したの…。 そんな時に、彼から、私が、好きなんだって言ってもらえて、嬉しかった。二つ返事で、付き合うことにしたのよ。 彼は、何時だって、私の味方だけど、同時に、一番キツいこと、厳しいこと言う人。だから、私も、彼に対しては、同じ様に、向き合ってるの。」 「いいパートナーなんだね。香里奈。」 「うん。いいパートナーだよ。」 「今度、機会があったら、紹介してよ。香里奈の自慢の彼氏。」 「惚れないでよ…。誰にも、渡さないんだから。」 「はいはい、わかりました。横恋慕なんてしませんよ。」 「わかってるなら、よろしい。」 クスクス笑う香里奈が、輝いて見えた。 また、香里奈に、一歩リードされちゃったな…。 花音は、そう、心の中で、呟いていた。
/430ページ

最初のコメントを投稿しよう!