実りの秋…

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「こんばんわ、香里奈お姉ちゃん。環です。」 「あら、どうしたの?」 携帯が鳴ったので出てみると、相手は、透の妹の環だった。 「ちょっと、意見聞きたくて…。」 「…意見?」 「年が明けたら、成人式なの…それでね、お姉ちゃんの時は、どんなだったのか、聞きたいの。 参考にさせてもらっても、いいかな…。」 「そんなことぐらいなら、お安いご用よ。お姉ちゃんに、任せなさい。」 「ありがとう!…ちい兄に聞いても、男だから、あんまり、役に立ちそうにないし。」 「ふふふ。そうよね、男には、乙女心は、わかんないわよね。 それで、何を聞きたいのかな?」 「お姉ちゃんは、何を着ていったの? 着物、それとも洋服だったの?」 「着物だよ。周りが、みんな、そうするって言ってたから。実際、会場で、洋装の人は、一握りだったわ。」 「やっぱり、着物だよね…。」 「着物、着ないの?」 「私は、着たいけど…。友紀は、振り袖着れないから…。」 ああ、そうだ、忘れていた…環ちゃんが、二十歳で成人式ならば、友紀さんも、そうなんだって。 「友紀さん、成人式出るの?」 「わかんない…。でもね、私は、出て欲しいの。一生に一度しかないんだよ。思い出作りたいじゃない。 そりゃね、私だって、いろいろと、思うことあるけど…。 でも、友紀は、大事な友達だし、今は、家族だもん。 私は、一緒にお式に出たいし、一緒にお祝いしたいの。 こんな考え、おかしいかな?」
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