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「…面目ない。でも、誕生日は、ちゃんと、お祝いしたんだぞ。」
「当たり前だ。それも、してないとか言ったら、殴り飛ばしてやろうかと思ったよ…。
あのさ、環が、どうしても、友紀と、成人式に出たいって言ってんだ。
けど、いろいろあったし、なにより、それだけのために、帰国しろとか、あいつ言えないみたいなんだ。
兄貴がさ、采配して、友紀が、成人式に、こっちへ帰れるようにしてやってよ。頼むよ…。」
「わかった。日程とか、わかるか?」
「時間とか、細かいことは、まだわかんないけど、式は、毎年1月の第2月曜って決まってるよ。」
「ああ、いつだったか、祝日の法律、替わったんだったよな…。
成人式は、1月15日ってイメージが強くてさ。それに、こっちでの生活が長くなってきたら、こっちの祝日が、一番に頭に浮かんじまうんだ。」
段々、日本人らしさが、欠けてきてるのかな…などと思って、涼は、苦笑いしてしまった。
「俺の冬の休暇、長く取れないか、上に、聞いてみるよ。
それと、友紀に、話してみる。成人式のこと。」
「頼んだぜ。仕事の邪魔して悪かったな。返事待ってるわ。
それと、電話代にまで、気を使わせて、ごめん。」
「なんで、謝るんだ?
俺は、社会人で、お前は、まだ、学生だろ。
兄貴面させろよ、こんなときぐらい。
ありがとう。嬉しかったよ、お前の声が聞けて。またな…。」
「おう、またな…。」
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