実りの秋…

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透は、電話を切った途端、物凄く、深くて長い息を吐いた。 ベッドの上に、仰向けに倒れると、なぜだか、涙が溢れてきた。 「涼兄と、昔みたいに、喋れた…。俺、普通に喋れたよ…。」 電話を掛けるのは、自分から言い出したことだったが、いざ掛けるとなると、緊張した。 去年の夏、もう少し、距離をおかせてくれと、涼に言った手前、本音を言えば、掛けづらかったのだ。ましてや、お願いごとは、友紀のことだ。 涼が、最後に、ありがとうなんて、言ったから、透の心のバリケードが、一気に壊れて、いろんな気持ちが、溢れだしてきた。 涼兄とのことは、この涙と一緒に、全部、流してしまおう…泣くのは、これが最後だ…。 透は、そう決心した後、声をあげて、思い切り泣いた。
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