120人が本棚に入れています
本棚に追加
翌朝、日課のロードワークをするために、マンションのエントラスへ降りてくると、小野寺がいた。
「おはよう、透君♪…あれ?…目が、うさぎさんだが、なんかあったか?」
「えっ!?本当!?…やばっ…。」
必死にゴシゴシやる俺を見ながら、小野寺のやつ、腹を抱えてやがる…。
「最近のお前、喜怒哀楽激しいなぁ。…俺は、ちょっと安心した。
なあ、こっちが、本当のお前だろ。で、何があったんだ?」
「聞くなよ…恥ずかしいから…行くぞ…。」
「あっ、ちょっと待てよ!」
誤魔化すように、俺は、ロードワークを始める。
最近、毎日というわけではないが、小野寺が、今朝みたいに、一緒に走ってくれる。別に、俺から誘ったわけでもないし、一緒に走らせろと、小野寺から、言われた訳でもない。なんとなく、時間が合ったら、一緒に走る。
まあ、それだけなんだけど…近くにいる感じがして、ホッとする。
「ハッハッハッ…なぁ… なんで、うさぎさんなんだよ…ハッハッハッ…。」
「ハッハッハッ…走りながら、聞くな…ハッハッハッ…」
「ハッハッハッ…だってよ…気になるだろ…ハッハッハッ…キツい…何回走っても…ハッハッハッ…この坂~ぁ!!」
「ハッハッハッ…なら、黙って走れよ…」
言いながら、なんだか、頬が緩んでくる。
後で、話してもいいか…とっくに、グダグダな俺を、さらけ出してるもんな。
最初のコメントを投稿しよう!