『百六十円』

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『百六十円』 税金、なんて、 子供の僕らには無縁のはなしだとおもってた のに、 全然。 僕ら愛用の自動販売機 いつも買う炭酸は もう2枚のコインじゃ買えなくなってた 百円玉と五十円玉。 銀色に光るそれが好きなのに、 僕はもうひとつ、 もうひとつ。 あんまりその色は好きじゃない 綺麗じゃないから 綺麗じゃないから チャリン 光ったランプを押す しゅわしゅわ、と、 溢れそうな泡を飲み干した。
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