第二章 友達

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「屋上って始めて来たかも」 「屋上はいいよ空は近く感じるし、眺めは良いし」 「私もいま同じこと思ってたよ。空が近いなって」 その時、 階段を登る二つの足音がした。 「き、来たかな?」 「大丈夫。階段で待ってるから」     ドアが開いた。 悠来くんと一緒に大輝くんが来た。 私の心臓のドキドキが止まらなかった。 あすみと悠来くんは屋上から出て行き完全に私と大輝くんだけの世界になってしまった。 「あっ、牧村じゃん、どうしたんだ?」 「あ、あの…」 「何?」  足が震えて、 ドキドキして言葉が上手く出ない、 何度も練習したフレーズなのに…  凛は、 大輝のまっすぐな目に視線を合わせることができなかった。
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