第三章 勇気

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 あの時の出来事は俺も覚えている。 自分でもビックリするくらいの出来事だったから…。  中学二年……秋  俺も、 詳しいことは分からない、 しかし、 クラスに一人馴染んでない女子がいた。 そいつが凛だ。 大人しく、 自分の意見もあまり言わず友達もそんなに居なかった。 むしろいつも一人だった…  初めのいじめは確か、 靴の中に画鋲が大量に入っていたらしい。 次は、 全員で無視、 何をされても何も言わない凛に、 いじめている奴らは少し苛立ち始めていた。  そして、 どんどんエスカレートしていき、 ある時は靴を隠され、 またある時は、 校庭のど真ん中に机と椅子が置かれていたこともあった、 そして、 ベランダに出ていた女子生徒らの一人が「お前の席ねーから」とその頃に流行ったドラマのセリフを吐き捨て凛のことを嘲笑(あざわら)っていた。 周りからも笑い声が聞こえた。
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