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しかし、そんな緊張も一人の少女の言葉で和らいだ。
空手部の女子の群れの中から特に大きな声で応援する女子がいた。
その少女は佐野あすみ、
悠来の彼女だ。
あすみは悠来に向って叫んだ。
「悠来、部長なんかに負けるな!頑張れ」
悠来はあすみの言葉を聞くと軽く頷いた。
そして、
力強い掛け声と共に試合は始まり、
序盤、
仲村の強い攻めに圧倒されていた悠来だが、
後半悠来の力強い中段突きに回し蹴り結果は悠来の勝ちだった。
試合が終わると
あすみは一目散に悠来のそばに駆け寄った。
そして、
溢れんばかりの笑みを見せながら、
「おめでとう。やっと勝てたね」
「やっとは余計だ」と、はにかんで見せた。
着替えを終えた二人は仲良くクラスに入っていった。
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