第二章 友達

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 クラスにはまだ、 少女が一人しか居なかった。 あすみは前の席の牧村凛は、 胸の高さくらいの髪を二つ結い直しながら「おはよう」と挨拶を交わすと、凛もあすみの方を向き笑顔で挨拶をした。 「で、どうだったの?」 「何が?」  凛はあすみの質問の意味が分からず、首を傾げた。 「 “何が”じゃないでしょ大輝に手紙渡したの」 「怒らないで聞いてくれる?」  凛がもじもじしながら言った。 あすみは分かったと頷いた。 「実はね……緊張して渡せなかったの、 ごめんね」 「そうなんだ~って“ごめんね”じゃないでしょ!行動を起こさないとあんた一生片思いで終わっちゃうんだよ!」 「だって……」 「だってじゃないでしょ、大輝は優しいからみんなのことを友達だと思ってる天然さんなんだから、凛がちゃんと気持ち伝えないと駄目なんだからね」 「分かってるよ…。怒らないって言ったのに」  今にも泣き出しそうな表情の凛がそう言うと、 あすみの隣にいた悠来も頷いた。
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