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「陛下に報告をしに行かねばならんな。…近々生まれる王妃の子の友にはなれそうにもないと言うのは辛い」
セルリア公爵がそう言い、出て行こうとするのを大神官長が止めた。
「私が行こう。君は夫人のそばにいてやるといい」
「…わかった。頼む」
セルリア公爵夫人の姉である第二王妃もまた臨月間近であった。
王と親しいセルリア公爵は生まれて来る王子か王女の友に我が子がなることを望み、また王も同じ事を願っていたのだ。
「この子が王都で暮らせるのは十年か…その期間を有意義なものにしてやろうな。…名前はウルアにしよう。強い精神を持った子になるように」
そうセルリア公爵は夫人に語りかけた。
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