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夫はさすがだった。
私は平静を装っているつもりであったのだけれど、
夫はそうでないことを察していた。
私の演技力が下手なのか
夫の洞察力が凄いのか、
そんなことには答えようもないけれど、
普段通りに生活の中でしなければならないことをこなしながらも
どこか言いたいことを言えないような
どこか言わなければならないことを言い出せないでいるような
そんな空気を私の中に感じ取っていたのだ、夫は・・・
「ねぇ、お母さん、なんかつらそうなんだけど・・・」
ひと言だけ、そんな言葉をかけてきた。
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