二つ目のお願い

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夫はさすがだった。 私は平静を装っているつもりであったのだけれど、 夫はそうでないことを察していた。 私の演技力が下手なのか 夫の洞察力が凄いのか、 そんなことには答えようもないけれど、 普段通りに生活の中でしなければならないことをこなしながらも どこか言いたいことを言えないような どこか言わなければならないことを言い出せないでいるような そんな空気を私の中に感じ取っていたのだ、夫は・・・ 「ねぇ、お母さん、なんかつらそうなんだけど・・・」 ひと言だけ、そんな言葉をかけてきた。
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