二つ目のお願い

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それがどんなにありがたかっただろうか。 そのたった一言でどれほど救われただろうか。 台所で鍋にお味噌を溶いていた私は 目にいっぱいの涙をためていた。 夫はきっかけをくれたのである。 私が必死に見計らっていたタイミングを、 私が白々しくも探っていたそのきっかけを、 夫自らが差し出してくれたのである。 これがどれほど私にはありがたかったか・・・ 私はまたしても夫に救われたのである。 夫に救ってもらったのであった。
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