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お鍋の火を止めて
一歩ずつ夫の方へと近づいていく。
また、私の胸の鼓動が高鳴っていた。
「なんて言おう?」
その僅かな距離に私はそう考えていたのだ。
「あのね、またなんだけどね・・・」
私は言葉を濁す。
夫はその私の様子でだいたいのことは察したようだった。
それでも私は躊躇した。
そんなに簡単に伝えられることではなかったからだ。
正直、夫と喧嘩になることも怖かった。
というより、嫌だった。
もう夫婦以外のことが原因で喧嘩をするのは
嫌だったのである。
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