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私の発案した、『女の子は皆プリンセス』のドレス以外はうちの会社でも順番待ちで、プリンセス企画だって一年に一回だけ。
忙しいはずなのに、頻繁にうちの会社に遊びに来るから仕事熱心なのかもしれないけど。
私は、自分にはないモノを全部持ってて、よくわからない気障ったらしい雰囲気で、やたら触って来るし意味深な視線を送って来る瑛くんはちょっと怖いし苦手なのに。
なんで娘に電話番号の書いた紙を渡すんだ?
なんでサンタ帽を被ったまま、私の作ったご飯を食べているんだ?
なんでチキンを食べただけで、唇の周りに付いた油が色っぽいんだ!?
なんでそんなフェロモンを垂れ流してるんだ!?
「はっつ、瑛くん、キミもしや……」
舌で唇を舐めている瑛くんが、私を見て妖しく笑う。
「――やっと気付きました?」
「娘はやらんぞ!!」
「は?」
イケメンでも、鳩が豆を食らうような、目を見開いた間抜けな顔が出来るようだ。
まぁ、そんな顔でさえ、イケメンだけど。
だけど、いくら胡蝶ちゃんが私に似て可愛くて、気立ても良くて、愛らしくても、やらん!
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