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ワインを飲み干す唇に目を奪われながら、今、私の前で何が起こっているのかもはや理解出来なかった。
デリヘルは、瑛ベルで。
瑛くんは、可愛い、娘ではなく、30過ぎた私を好きだといい、
私は右側だという。
瑛くんが左って瑛×私?
なんだそれは。
「最初は、なんて綺麗な顔の人だと思いました。まさに一目ぼれ。繊細なアンティークのレースよりも貴方は綺麗でした」
「……レースに例えられても。そういや君に仕事依頼する時、最初はぼーっとしてたけどあとから乗り気になってくれたよね」
「蘭丸さんに見とれてました。そして貴方の子供服に対する熱弁に心を打たれました。
俺も貴方にここまで思われてみたいなって」
「私も君の作るデザインは、女の子を本当に美しく惹きたててくれるから大好きだよ。君のデザインした、リンゴとガラスの靴と貝殻が鏤められたレース、あれは本当に美しい」
「そうですか?」
瑛くんは、甘く笑う。ワインより、極上に甘く。
「俺は、蘭丸さんの方が美しいです」
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