458人が本棚に入れています
本棚に追加
照れもせずに、気障ったらしい言葉を吐く。
そうか。
キミは最初っからずっと、私に気づいてほしくて叫んでいたんだね。
その熱い眼差しの理由がやっと分かったよ。
ふふふ、と思わず笑顔が零れる。
人に好きだと言われるのは、男でも女でも関係なく嬉しいものだ。
ちょっと変わっているけど、仕事で尊敬している人なら尚のこと。
「嗚呼、ダメだ。そんな笑顔、可愛すぎる」
「え?」
カランとテーブルの上をグラスが倒れて行く。
中にはもうワインは入っていないが、私はそちらに手を伸ばす。
それよりもはやく瑛くんの腕が私の腰を引き寄せて、
カランカラン弧を描きながら回るワインを見ていた顔を、顎をくいっと持ち上げられて瑛くんの方を向かされた。
「んーーっ」
甘い、アルコールが香る、しっとりした唇が重なる。
遠慮なんかなく、唇を舌でこじ開けられて、中にぬめりとした温かい舌が入ってきた。
「んんっ んっ」
そのまま抱き締めれらてしまい、私は何度も何度も瑛くんの胸を両手で拳を作り叩く。
けれどぎゅうっと密着するように抱き締められて、最後の抵抗も阻まれた。
最初のコメントを投稿しよう!