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「蘭丸さんだって、俺の背中キズものにしたんですから、おあいこですよ。責任とって嫁にしますから」
背中の蚯蚓腫れを、愛しげになぞる瑛くんは恍惚した様子で、もう何だか今すぐどっか逃げたい。
「うううう。もうやだ。帰ってよう。胡蝶ちゃんに見られたら私、死ぬよ」
「あ、胡蝶ちゃんはこれから女子会メンバーでカラオケ行くらしいからゆっくりして良いですよって」
「ええええ。いつ? 私の携帯!?」
「いえ。俺の携帯に」
着信を見せてきた瑛君のスマホを奪うと、そのロック画面に呆然とした。
「これ! 私の寝顔!」
「可愛いですよね」
「そうじゃない!」
どうしよう。やっぱり瑛くん、怖い。
なんでこんな朝から艶々してて、セクハラ全開で、いちいち声が甘いの。
怖いよー。
「もう、蘭丸さん、昨日あんなに愛し合ったのにまだそんなにつれなくするんですか?」
「や、あの、でも私、君がまだ好きかも分からないし、流されたと言うか」
両人差し指を合わせてもじもじすると、瑛君からどす黒いオーラが放たれきた。
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