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どうやら余命わずかだと分かった妻が、こっそり育てようとしていた私の子を私に託したかったらしい。
彼女とは恋愛らしい恋愛もなく、家族として過ごした期間も短いけれど、
代わりに可愛くて天使のようなわが子を大切に育てようと決めていた。
大学を中退し、子供服『プリンセス』に就職した私に、子供服は天職だったらしい。
もし、私の子供に着せるなら、と考えた服が全て大ヒット。毎年、私の企画である『女の子は皆、プリンセス』をコンセプトにして作るドレスは、このクリスマス時期が一番売れている。もちろん、私も毎年買っていた。が。
娘は今年で16歳になる。
子供服もとうに着られなくなってしまった。
だから、代わりに二人で過ごすクリスマスは、大切なものにしたかったのだけれど。
「あれ? 言わなかったっけ? 今年は友達の家でクリスマス女子会するから私、居ないよ?」
「ええええええ!?」
「あはは、ごめんね。でもパパにはこれがあるから」
そう言って渡されたピンクのカードは、どうみてもデ○ヘルな、感じのピンク。
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